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出没グマは何を食べていたか、体毛から食性を推定

2008年11月28日掲載

論文名 Nutritional condition and dietary profile of Japanese black bear (Ursus thibetanus japonicus) killed in western Japan in autumn 2004(2004年秋に西日本で出没したツキノワグマの栄養状態と食性履歴について)
著者(所属)

大井 徹(関西支所)、古澤 仁美(立地環境研究領域)

掲載誌 Mammal Study(哺乳類研究、日本) 、2008年12月
内容紹介  一部地域で絶滅が懸念されるツキノワグマですが、人里に大量に出没する年があります。出没の原因は山の食料不足という説が有力ですが、捕獲前に実際にクマが何を食べていたのかは不明でした。そこで、クマの体毛が6~10月にかけて成長することを利用して、体毛の各部位の安定同位対比を記録しながら、食性の変化を推定しました。
 2004年秋に広島県で大量に出没して捕獲されたクマを調べたところ、肥満の程度の高いものから痩せたものまでいました。それらの体毛の分析から、夏の後半から秋に安定同位対比の高い食物(動物質など)を十分摂取できたと推定される個体は、肥満の傾向があることがわかりました。しかし、そのような食物を摂取できた個体は少なく、栄養のある食物が山で取り合いになっていたと考えられます。また、秋の前にすでに人里の食物に依存していたクマがいた事実も明らかになり、クマを人里に引き付ける残飯や家畜飼料などの誘因を取り除くことが、被害防止のために重要であることもわかりました。

 

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