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土地利用の変化は国内のみならず国境を超えて鳥類の多様性を変化させる

2009年3月5日掲載

論文名 Does land-use change affect biodiversity dynamics at a macroecological scale? A case study of birds over the past 20 years in Japan (林業活動の変化は国土スケールで生物多様性の変化を引き起こすか?-日本における最近20年の鳥の場合-)
著者(所属) 山浦悠一(森林昆虫研究領域)、天野達也(農業環境技術研究所)、小泉透(野生動物研究領域)、光田靖(森林管理研究領域)、滝久智(森林昆虫研究領域)、岡部貴美子(森林昆虫研究領域)
掲載誌 Animal Conservation(動物保全)、2009年1月
内容紹介  生物多様性条約締約国会議(COP10)日本開催を前に、国内で初めて2010年目標達成を評価する手法(リビングプラネットインデックス)を開発しました。これを用いて日本で繁殖する鳥類の過去20年間の分布を環境省のデータをもとに調べた結果、時代とともに土地利用が変化するにつれて、鳥類の多様性は国内のみならず国境を越えて変化しうることが明らかになりました。
 20年前と現在の鳥類の生息面積を較べると、日本国内だけで暮らしている種(留鳥と漂鳥)のうち、若い森林に生息する種では生息域が89%に縮小する一方、成熟した森林に生息する種では109%に拡大しました。これは、近年日本の林業活動が停滞した結果、若い森林が減る一方、成熟した森林が多くなったためと考えられます。また、国外へ渡りを行なう種(夏鳥)では、若い森林に生息する種の生息域が73%に、成熟した森林に生息する種でも83%に縮小していました。日本国内では成熟した森林が増えているにもかかわらず、成熟した森林に住む夏鳥の分布域が縮小した原因は、越冬地である東南アジアの森林が伐採されて大きく縮小したことにあると考えられます。今回の結果は、生物多様性を保全するためには、国際的かつ社会経済的な視点を持つ必要があることを示しています。
 ※用語解説
 生物多様性条約2010年目標:2010年までに生物多様性の顕著な減少速度を低下させるという目標

 

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