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林床から渓流に流れ込む落ち葉の動きをモデルで予測

2009年3月23日掲載

論文名 落葉模型を用いた林床における斜面下方への落葉移動距離の推定
著者(所属) 阿部俊夫(北海道支所)、坂本知己(気象環境研究領域)、田中浩(九州支所)、壁谷直記・延廣竜彦(水土保全研究領域)、萩野裕章(気象環境研究領域)
掲載誌

日本森林学会誌(日本)、2009年

内容紹介  森に積もった落ち葉の一部は、風に飛ばされ斜面を下り、渓流に流れ込みます。その落ち葉はトビゲラなどの水生生物の貴重なエサとなります。従って、渓流の生態系を保全するためには、渓流への落ち葉の供給源として保全すべき森林の範囲を明らかにすることが重要です。そこで我々は、落ち葉の模型を用いて林床での落葉移動距離を予測する手法を開発しました。風、林床植生、傾斜の3変量から、モデルを用いて模型の移動距離を予測し、本物の落ち葉と模型との移動速度の比を乗じることで、目的の落ち葉の移動距離を概算できます。茨城県北部の広葉樹林を例に挙げると、斜面下方への風速0.1m/s、林床植生の被度10%、傾斜25°の地点で、模型は4ヶ月間に11.5m下方へ移動すると計算されます。この森に多いイヌブナの場合、実際の落ち葉の移動速度が模型の0.92倍なので、移動距離は10.6mとなります。この手法を、開発済みの落葉散布モデルと合わせれば、ある木の落葉がどこまで移動するかを予測できます。本研究の成果は、渓流への落ち葉の供給予測のみならず、土壌養分などの物質循環研究や雨滴による土壌侵食の防止などさまざまな分野に応用できます。

 

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