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大規模森林火災による熱帯雨林の菌根のダメージとその回復過程

2009年11月12日掲載

論文名 The Impact of the 1998 Forest Fire on Ectomycorrhizae of Dipterocarp Trees and their Recovery in Tropical Rain Forests of East Kalimantan, Indonesia(インドネシア・東カリマンタン州における1998年の森林火災がフタバガキ科樹種の外菌根に与えた影響とその回復について)
著者(所属) 明間 民央(森林微生物研究領域)、Ida NURHIFTISNI(インドネシア・ムラワルマン大学), SUCIATMIH and Herwint SIMBOLON(インドネシア科学院(LIPI) )
掲載誌

Japan Agricultural Research Quarterly (JARQ:日本)、2009年

内容紹介  東南アジア熱帯の主要な樹木であるフタバガキ類には、きのこなどの菌糸と共生して、土壌の表層に「菌根」と呼ばれる特殊な吸収根を作るものが多数あります。菌根がダメージを受けると、それらの樹木は病害や乾燥への抵抗性が低下し、土壌養分を満足に吸収できなくなります。インドネシア東部のボルネオ島は、1998年の大規模森林火災で推定10,000km2を超える被害を受けました。調査地としたブキットバンキライ保護林でも全半焼した箇所がありましたが、それぞれの場所で地下の菌根はどの程度ダメージを受けたのか、回復は進んでいるのか、森林火災の影響を明らかにするための調査をしました。その結果、菌根は、地表付近の低木が焼けた程度でも大きなダメージを受け、多様性が減少しました。林冠木が焼けた全焼箇所では菌根は一時全滅し、4年後に、それまでとは違う種類が出現しました。一方、林冠木が生き残った半焼箇所では元々あった種類が早くに回復しました。つまり、本調査により、半焼箇所が菌根の避難場所になることを明らかにしました。この成果は、天然林再生を目的とした菌根の活用技術の向上のため重要な知見となります。

 

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