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光を得たブナの芽生えは防御組織と抗菌物質で病原菌から身を守る
-ブナ天然更新の仕組みを解明する新たな指標-

2009年11月17日掲載

論文名 Effect of light conditions on the resistance of current-year Fagus crenata seedlings against fungal pathogens causing damping-off: fungus isolation and histological and chemical resistance(天然林におけるブナ当年生実生の立枯病菌に対する抵抗性に与える光環境の影響:病原菌の分離と組織学的および化学的抵抗性)
著者(所属) 市原 優(東北支所)、山路 恵子(筑波大院)
掲載誌

Journal of Chemical Ecology(化学生態学雑誌)2009年

内容紹介  ブナの芽生えは林冠下に生えた場合そのほとんどが病原菌によって枯死しますが、林冠が開けたギャップでは菌害が生じにくく更新できるようになります。今回私たちは、光環境が良い林縁と暗い林冠下のブナの芽生えを比較し、菌害率の低かった林縁では、胚軸の防御組織がより発達しており、抗菌物質の全フェノール成分が多いことを明らかにしました。このことは、光環境がよい場合のブナの芽生えでは、防御組織と抗菌物質によって病原菌に対する防御機能が増大することを示しています。これまで、異なる光環境下での菌害発生率の差異は知られていましたが、今回のように菌害発生を直接的に左右する防御機構に差異が認められたのは新たな知見です。今後、この防御機構はブナ天然更新の過程を解明する新たな要素のひとつとなると考えられ、ブナの天然更新技術の向上に役立つことが期待されます。

 

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