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違いがわかるアカゲラ -木の硬さの違いはお見通し- 

 2010年8月16日掲載

論文名 Great Spotted Woodpeckers Dendrocopos major detect variation in wood hardness before excavating nest holes (アカゲラは、巣穴を掘る前に木材の硬さの変異を知っている)
著者(所属) 松岡 茂(北海道支所;現 企画部研究情報科)
掲載誌

Ornithological Science (日本鳥学会誌、9巻1号)2010年6月発行

doi:10.2326/osj.9.67(外部サイトへリンク)

内容紹介

アカゲラ(キツツキの1種)の古巣は、自分では穴を掘れない他の鳥や哺乳類により営巣場所などとして利用されます。アカゲラが繁殖することは、森林における生物多様性維持に大きくかかわっています。アカゲラは、さまざまな種類の木の幹に巣穴を掘りますが、彼らが巣穴を掘る木の硬さを計測したところ、辺材(幹の外側部分)が硬く、芯材(幹の中心部分)が腐朽などによって柔らかくなっているという共通点がありました。アカゲラは、巣穴を掘る前に、複数の木に小さな穴(試掘穴)をあけて、その中の一つをさらに掘り進めて巣穴にします。試掘穴があけられた木の硬さを測定したところ、ほとんどが巣穴を掘る木と同じ特徴を持つことがわかりました。また、辺材が柔らかく芯材が硬い木にも試掘穴をあけていましたが、この穴は巣穴になることはありませんでした。一方、辺材と芯材の硬さに大きな差がない木にはあけられることはありませんでした。試掘穴は、巣穴として適当な木にも不適当な木にもあけられていたことから、その木が巣穴を掘るのに適しているかどうかを判断するための役割を果たしていると考えられます。試掘穴をあける前には辺材と芯材のどちらが硬いかはわからないものの、少なくともそれらの硬さに違いがあることを彼らは知っているようです。
アカゲラが材の硬さの違いを見つける機構の解明は、アカゲラの営巣可能木の判定につながり、そうした樹木を保存することでアカゲラが生息できる森づくりを促進することが期待できます。

 

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