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小笠原諸島における侵略的外来樹種モクマオウの急速な分布拡大

 2012年3月23日掲載

論文名   Vegetation status on Nishi-jima Island (Ogasawara) before eradication of alien herbivore mammals: rapid expansion of an invasive alien tree, Casuarina equisetifolia (Casuarinaceae). (外来草食動物根絶前の小笠原諸島西島の植生:侵略的外来樹種モクマオウの急速な拡大について)
著者(所属)

安部 哲人(森林総合研究所 九州支所)、安井 隆弥(小笠原野生生物研究会)、牧野 俊一(森林総合研究所 研究コーディネータ)

掲載誌

Journal of Forest Research 16巻 (2011年12月) DOI:10.1007/s10310-010-0239-0(外部サイトへリンク)

内容紹介

小笠原諸島の西島では、世界自然遺産登録に向け生態系復元を目指して、在来植物を食害する外来動物のノヤギやクマネズミの根絶が行われました。この効果を評価する前提として、根絶前の島の植生変遷を明らかにするため、2006年の植生分布と1979年調査の植生図を比較しました。その結果、外来樹種であるモクマオウ林の面積は30年足らずの間に4.6haから17.6haへと急速に拡大しており、最も優占する植生となったことが明らかになりました。それまでみられたリュウキュウマツ林は消失していることから、マツ枯れによって優占樹種が交代したものと推測されます。また、実生発生調査では在来樹種の林分でさえモクマオウの実生が圧倒的に優占していました。この結果より、外来草食動物による食害圧はモクマオウにはあまりかかっておらず、在来樹種を選好していた可能性が高いと考えられます。外来草食動物が根絶されたことから、今後は在来樹種の更新回復が期待されます。しかし、モクマオウが優占する現状とその高い成長速度を考慮すると、在来植生の回復のためにはモクマオウ対策も必要であると言えます。

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