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マレーシアの多様な森林が育むサルノコシカケ類

2012年4月5日掲載

論文名 Diversity and conservation of wood-inhabiting polypores and other aphyllophoraceous fungi in Malaysia(マレーシアにおける木材生息性サルノコシカケ類および他のヒダナシタケ目菌類の多様性と保全)
著者(所属)

服部 力(森林総合研究所関西支所), 山下 聡(森林総合研究所森林昆虫研究領域), Lee Su See(マレーシア森林研究所)

掲載誌

Biodiversity and Conservation、21巻 (2012年1月) DOI:10.1007/s10531-012-0238-x(外部サイトへリンク)

内容紹介

サルノコシカケの仲間は木材腐朽菌として樹木に被害を与える一方、薬用としても注目されるなど重要な森林生物です。マレーシアは氷河期の影響をほとんど受けていないことから、多様かつ特異な生物が分布する地域として知られています。マレーシアの低地には熱帯雨林が分布しますが、一方で標高1,200 mを超える山地では気候が温帯的で、低地とは生えている樹木も大きく異なります。現地調査や過去の採集記録などから、低地林と高地林では発生するサルノコシカケ相が大きく異なることがわかりました。低地林では熱帯地域を中心に分布する熱帯系の種が分布しますが、高地林ではこれらに加え、高地林に固有の種や温帯との共通種も分布していました。また、これまでマレーシア国内からしか記録のない種も多数あり、そのうち約30種類はたった1カ所の森林からしか記録がありません。その多くは、現在のタマンネガラ国立公園など、原生的な森林から採取されています。マレーシアでは国立公園などの保護林が森林面積全体の約25%あるものの、残りの地域では、なお森林減少が続いています。マレーシアの希少なサルノコシカケ類にとっては、低地林と高地林の双方に残る原生林が重要と考えられます。

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