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こんな場所にもブナが生えていた! ―ブナ北限地域で新たな分布地の発見―

2012年5月28日掲載

論文名 Habitat and vegetation of an outlying Fagus crenata population in its northern range limit at Rebunge Pass, Hokkaido (北海道礼文華峠におけるブナ分布北限域孤立個体群の立地と植生)
著者(所属)

松井 哲哉・北村 系子(北海道支所)、齋藤 均(黒松内町ブナセンター)、 並川 寛司(北海道教育大学札幌校)、寺澤 和彦(北海道立総合研究機構林業試験場)、 春木 雅寛(北海道大学地球環境科学研究院)、板谷 明美(三重大学大学院生物資源学研究科)、本間 祐希(北海道教育大学札幌校)、 三好 祐司(北海道大学環境科学院)、 内田 健一(森と木の技術と文化研究所)、鈴木 隆(豊浦町産業振興課)、 紀藤 典夫(北海道教育大学函館校)

掲載誌

植物地理・分類研究、59巻2号(2012年)予定

内容紹介

日本列島を代表する落葉広葉樹であるブナのこれまでに知られている自生地北限は、北海道渡島半島の付け根に位置する黒松内低地帯付近の日本海側にあります。太平洋側の自生地はあまり知られていませんでしたが、洞爺湖の西に位置する豊浦町礼文華峠(北緯42°36′、東経140°33′)の岩場で太平洋側としては北限となるブナを発見しました。およそ2ヘクタールの面積にブナ39個体が生存し、結実や芽生えも確認されました。緩斜面の肥沃な土地を好むブナが岩場に生育するのは極めて稀です。

この場所にブナが分布を広げたのは、樹齢から推定すると約100年前に遠くのブナ林からカケスなどの鳥によって貯食用に運ばれてきた種子が偶然岩場で芽生え、成長したためと考えられます。今後、地球温暖化でブナの北限が北上すると予測されている中で、この北限のブナがどのように変化するのか、見守っていく必要があります。 

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