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針葉樹人工林の針広混交林化を図るための新たな知見 ―広めの列状間伐や土壌条件の悪いヒノキ林が鍵―

2012年5月30日掲載

論文名(1) Effects of management, environment and landscape conditions on establishment of hardwood seedlings and saplings in central Japanese coniferous plantations (中部日本針葉樹人工林における広葉樹実生と稚樹の定着に管理、環境、景観要因が及ぼす影響)
著者(所属)

平田 晶子(筑波大学)、酒井 武(森林植生研究領域)、高橋 和規(関西支所)、佐藤 保(森林植生研究領域)、田内 裕之(四国支所)、杉田 久志・田中 浩(森林植生研究領域)

掲載誌

Forest Ecology and Management 262 (2011) 1280-1288  DOI:10.1016/j.foreco.2011.06.025(外部サイトへリンク)

論文名(2)

Composition, size structure and local variation of naturally regenerated broad leaved tree species in hinoki cypress plantations: a case study in Shikoku, south-western Japan (ヒノキ人工林内に天然更新した広葉樹の種組成およびサイズ構造とその局所的な変動:四国における事例)

著者(所属) 野口 麻穂子(東北支所)、奥田 史郎(関西支所)、宮本 和樹・伊藤 武治(四国支所)、稲垣 善之(立地環境研究領域)
掲載誌

 Forestry、84巻5号、493-504(2011年) DOI:10.1093/forestry/cpr027(外部サイトへリンク)

内容紹介

新たな「森林・林業基本計画」(平成23年)では、適正な整備が見込めない針葉樹人工林の公益的機能の発揮に向けて、広葉樹の導入による針広混交林への誘導などを進めるとしており、その技術の確立が急がれています。

一般に、わが国の森林は下層植生が豊富なため、草本やササなどの競争相手より大きな稚樹があるかどうかは、広葉樹の更新の重要なポイントです。北関東のスギ人工林地帯で、施業履歴等が広葉樹稚樹の数と大きさに与える影響を調べた結果、草本・ササ層より大きな稚樹は、保育初期に行われた下刈りの回数が多いほど多いこと、また、列状間伐を行った場合では1列伐採より2列伐採の方が多いことが明らかになりました。大きな稚樹が少ない針葉樹人工林では、広葉樹の稚樹の育成を新たに図るには、広めの列状間伐を行うことが効果的と考えられます。

一方、西日本に多いヒノキの人工林では、下層植生に草本やササなどが少ない林分もよく見られます。四国においてこのようなヒノキ人工林で調査を行なった結果、広葉樹の稚樹が多く、多様な樹種が生育するのは、土壌の養分状態が悪くヒノキの成長が劣っている場所だということが明らかになりました。すなわち、ヒノキの成長が良くない場所は、混交林化が比較的容易と言えます。

  

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