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崩壊した山腹で植生はどのように生き残ったか

2012年8月3日掲載

論文名 東栗駒山ドゾウ沢崩壊地周辺の崩壊発生1年後の崩壊堆積物における侵食と植生回復
著者(所属)

小川 泰浩・大丸 裕武・村上 亘・岡田 康彦(水土保全研究領域)、杉田 久志(森林植生研究領域)、江坂 文寿(内閣府(防災担当))

掲載誌

森林総合研究所研究報告、Vol.11、No.2 (No.423) 77-84、2012年6月

内容紹介

2008年岩手・宮城内陸地震によって東栗駒山で大規模な山腹崩壊が起こりました。この地域は森林生態系保護地域にあり、治山・緑化が規制されています。東栗駒山の大規模山腹崩壊地における自然状態の植生回復を把握するため、崩壊発生から1年後に斜面侵食や植生回復の状況を調べました。

地震による崩壊後にさらに雨による土壌侵食が生じると植生の定着を遅らせますが、そのような土壌侵食は沢の源頭部急斜面に限られていて、あまり問題ではありませんでした。一方、崩壊地の植生は、様々なタイプの回復をしていることがわかりました。つまり、崩壊で裸地化した場所に新たに種子から実生が発生する場合、崩壊発生時に地表の植物がブロック状で移動しそのまま生育する場合、積雪に覆われていたために土砂の直撃をうけなかった場合、傾斜が急なため土砂が飛び越えて直撃を受けなかった場合、に植生回復がみられました。

この調査結果は、大規模崩壊が起きても、植生が生き残る様々な場合があり、そこから比較的素早く回復する可能性を示しています。今後も植生回復状況の調査を続け、この知見を治山や緑化に活用していきます。

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