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ヒバ稚樹を良く成長させる落葉広葉樹

2012年8月3日掲載

論文名   Photosynthesis and growth of Thujopsis dolabrata var. hondai seedlings in the understory of trees with various phenologies (異なるフェノロジーの上木の被陰下にあるヒバ稚樹の光合成と成長)
著者(所属)

櫃間 岳(東北支所)、韓 慶民・千葉 幸弘(植物生態研究領域)

掲載誌

Journal of Forest Research (2012) 17:156–163 DOI:10.1007/s10310-011-0281-6(外部サイトへリンク)

内容紹介

落葉広葉樹が混交するヒバ天然林では、ヒバの稚樹が落葉広葉樹の下で育つことが知られています。しかし、上木の種による影響の違いのメカニズムは明らかではありません。そこで、葉をつける期間(着葉期間)が異なる木の下にヒバの稚樹を植え、光環境、稚樹の光合成と成長を調べました。その結果、ヒバ稚樹は、通年で暗い常緑樹の下では多くの個体が枯死するのに、落葉広葉樹下で、春、上木が葉を開く直前の短い期間だけでも強い陽光が当たり、よく光合成ができると、その後の被陰は常緑樹下と同じでも枯れずに育つことが分かりました。また、同じ落葉樹でも、春の開葉が早く、秋の落葉が遅く、林床の暗い時期が長いブナより、開葉が遅く、落葉が早くて、林床の明るい時期が長いヤチダモの下の方がヒバの成長がよいことが分かりました。つまり上木の着葉期間が短ければヒバ稚樹の成長がよいことになります。

この成果は、ヒバ天然林において、ヒバ稚樹がよく成長する落葉広葉樹上木の条件を明らかにしており、ヒバ―広葉樹の針広混交林の維持管理のための技術指針の改善に役立ちます。

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