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マツノザイセンチュウに強いリュウキュウマツを作るための新たな増殖技術の開発

2012年9月21日掲載

論文名 Plant regeneration from embryogenic tissue of Pinus luchuensis Mayr, an endemic species in Ryukyu Island, Japan. (リュウキュウマツの不定胚形成細胞からの植物体再生)
著者(所属)

細井 佳久・丸山 E.毅(生物工学研究領域)

掲載誌

Plant Biotechnology、Vol.29.  No.4 (9月25日に発行予定)、DOI:10.5511/plantbiotechnology.12.0530a(外部サイトへリンク)

内容紹介

南西諸島に分布するリュウキュウマツは、アカマツやクロマツ同様マツノザイセンチュウによる松枯れの被害が大きな問題となっています。その対策として、屋外に生育する個体の中から松枯れに強い個体を選び、数世代にわたって交配と選抜を繰り返して、松枯れに強い個体を作る試みが行われています。こうした従来の育種方法では、どうしても広い植栽面積と長い試験期間を要することになります。そこで、私たちは、生物工学的な手法を用いて、実験室という狭い空間で、できるだけ短い時間に、松枯れに強い個体を大量に作るための基盤技術を開発しました。まず、松枯れに強い個体の組織や細胞から、フラスコ内で大量のクローン個体を作出するための組織培養条件を探しました。その結果、浸透圧調節などに利用されるポリエチレングリコールを培地に添加することにより、誘導したクローン胚の成熟化能力が飛躍的に向上することがわかりました。また、リュウキュウマツの種子の中から取り出した1つの胚をシャーレ内で培養し、一度に大量のクローン胚を作り出すことに成功しました。さらに、その後の培養で、クローン胚からほぼ100%の確率で植物個体に再生させることもできました。シャーレの数はいくらでも増やして培養できるため、ほぼ無限にクローン個体を作り出せることになります。本研究により、リュウキュウマツ個体を限られた狭い空間で、大量に作り上げることが可能になりました。

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