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気象学的方法により森林の二酸化炭素吸収量の変動を解明

2012年10月24日掲載

論文名 Interannual variability of net ecosystem production for a broadleaf deciduous forest in Sapporo, northern Japan (北日本札幌の落葉広葉樹林における生態系正味生産量の年々変動)
著者(所属)

北村 兼三、中井 裕一郎、鈴木 覚、大谷 義一(森林総合研究所 気象環境研究領域)、山野井 克己(森林総合研究所 北海道支所)、坂本 知己(森林総合研究所 気象環境研究領域))

掲載誌

Journal of Forest Research,17(3), Springer,2012,6、DOI:10.1007/s10310-012-0335-4(外部サイトへリンク)

内容紹介

森林はどのくらい二酸化炭素を吸収するのか、二酸化炭素吸収量の年々変動はどのような要因で起こるのかを明らかにするために、気象学的手法で冷温帯落葉広葉樹林の二酸化炭素吸収量を複数年観測しました。
観測の結果、冷温帯落葉広葉樹林は年間1ha当たり14~18ton、平均すると約16tonの二酸化炭素を吸収することがわかりました。本観測地に近接する冷温帯落葉針葉樹林(カラマツ林)における二酸化炭素吸収量は年間1ha当たり約7.8tonですから、落葉針葉樹林に比べ落葉広葉樹林の二酸化炭素吸収量は約2倍大きいことが分かりました。
これまで冷温帯落葉広葉樹林における二酸化炭素吸収量を変動させる要因は不明でしたが、今回複数年観測を行ったことで、着葉期間の日射量が二酸化炭素吸収量の年々変動に大きく影響することが明らかになりました。さらに着葉の早い遅いも吸収量の年々変動に影響を及ぼしていました。これは、各年の着葉している日数には大きな差が無く、着葉が始まる5月は着葉期終盤の10月に比べ日射量が大きいため、着葉が早まると着葉期間により多くの日射量を獲得出来るからだと考えられます。
本研究により得られた知見は、森林の二酸化炭素吸収機能評価に役立つ重要な成果であり、気候変動による森林の二酸化炭素吸収量の変動予測につながるものです

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