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高CO2環境で育てたアカエゾマツは春先の霜害を受けにくくなる

2012年10月25日掲載

論文名 Photosynthetic traits around budbreak in pre-existing needles of Sakhalin spruce (Picea glehnii) seedlings grown under elevated CO2 concentration assessed by chlorophyll fluorescence measurements (高CO2環境で生育したアカエゾマツの既存葉を対象としたクロロフィル蛍光測定による開葉期の光合成特性評価)
著者(所属)

北尾光俊, 飛田博順, 宇都木玄, 小松雅史, 北岡哲, 丸山温, 小池孝良(北海道大学)

掲載誌

Tree Physiology 32(8), 998–1007(2012年)DOI: 10.1093/treephys/tps048

内容紹介

北海道に一般的な常緑針葉樹のアカエゾマツでは、春先の低温条件で光阻害を受けやすくなることが知られています。光阻害とは、強い光がもたらす光合成機能の低下のことで、これが寒冷地の樹木に晩霜害をもたらす一因となっています。また、光阻害はCO2濃度に関係が深く、現在進んでいる地球のCO2濃度上昇の影響を受けると考えられます。そこで、森林総合研究所北海道支所の環境調節施設を用い、高CO2条件でアカエゾマツの苗木を育て、高CO2環境下での光阻害の感受性を調べました。その結果、高CO2環境では、春先に光阻害が抑制され、これにより寒冷地の樹木が晩霜害を受けにくくなることが明らかになりました。この結果は、CO2の増加がもたらす森林生態系や林業への影響の予測とその対策に役立ちます。

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