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データで示す間伐の表土移動抑制効果

2013年1月7日掲載

論文名 急傾斜ヒノキ人工林における伐採方法の違いによる細土,土砂,リター移動量の変化
著者(所属)

中森由美子・瀧井忠人(和歌山県)、三浦覚(立地環境研究領域)

掲載誌

日本森林科学会誌、94巻3号(2012年) DOI: 10.4005/jjfs.94.120

内容紹介

皆伐と公益的機能との関係については、森林・林業再生プランでもその科学的根拠が問われています。公益的機能のうち、表土移動を抑える効果について、間伐と皆伐の違いを定量的に解明しました。急傾斜地の若齢ヒノキ林で、皆伐、強度間伐、通常間伐の処理の違いが表土移動量に及ぼす影響を土砂受け箱法によって比較しました。皆伐区では処理後に2年目にかけて表土移動量が3~7倍に増加し3年目から緩やかな減少に転じていましたが、強度間伐区と通常間伐区では処理前後で表土移動量に変化はありませんでした。下層植生の植被率は、皆伐区では1年目には一旦減少し、2年目以降に急激に回復しましたが、間伐区では1年目から増加し、その傾向は強度間伐区の方が大でした。皆伐区では伐採処理による地表撹乱の影響が大きいうえに処理直後の下層植生の減少が重なって表土の移動を増大させたのに対して、間伐区では下層植生の回復と伐採処理による撹乱が相殺していたと考えられました。急傾斜ヒノキ林で森林施業を行う場合には、このような特性を考えて、表土移動を避けるため間伐で下層植生を増やすなど、施業方法を選択する必要があります。

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