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二次林が老齢化すると訪花昆虫の種類構成も原生林に近づく

2013年1月11日掲載

論文名 Evaluation of secondary forests as alternative habitats to primary forests for flower-visiting insects(訪花昆虫における原生林の代替生息地としての二次林の評価)
著者(所属)

滝久智(森林昆虫研究領域)・槇原寛(森林昆虫研究領域)・松村雄(那須塩原市動植物調査研究会)・長谷川元洋(森林昆虫研究領域)・松浦俊也(森林管理研究領域)・田中浩(森林植生研究領域)・牧野俊一(研究コーディネータ)・岡部貴美子(森林昆虫研究領域)

掲載誌

Journal of Insect Conservation, Springer, Online first: DOI: 10.1007/s10841-012-9539-3

内容紹介

生物多様性や希少生物の生息地の保全という観点から原生林の保全は重要です。しかし、日本の天然林の多くは原生林ではなく、人手が加わった後で再生した二次林です。生物の生息地として見た場合、二次林と原生林とではどれくらい違うのでしょうか。二次林でも老齢化すれば原生林に近づくのでしょうか。

福島県只見町の老齢の原生林、壮齢二次林、若齢二次林で、花に集まる昆虫(訪花昆虫)であるハナバチとハナカミキリを採集して比較しました。いずれも花粉の媒介や枯死木の分解など、森林の重要な働きを担う森林昆虫です。その結果、壮齢二次林と若齢二次林に生息するこれらの昆虫の種類は、原生林に生息する種類とは異なっていました。しかし、若齢二次林と壮齢二次林を比較すると、生息する種類は若齢二次林よりも壮齢二次林の方が原生林に似ている傾向がみられました。つまり、二次林が成熟するにしたがって、これらの昆虫の種類構成は原生林と似てくるのです。

以上の結果は、訪花昆虫にとって二次林は成熟すれば原生林を代替する生息地になる可能性を示し、天然林の適正配置を通じた持続可能な森林管理をすすめる際の科学的根拠となります。

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