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雪崩発生場所の積雪状況を数値モデルで推定

2013年1月25日掲載

論文名 Snowpack estimations in the starting zone of large-scale snow avalanches in the Makunosawa valley, Myoko, Japan (妙高・幕ノ沢における大規模雪崩発生区の積雪の推定)
著者(所属)

竹内 由香里 (森林総合研究所十日町試験地)、平島 寛行 (防災科学技術研究所雪氷防災研究センター)

掲載誌

Annals of Glaciology, 54(62), International Glaciological Society, 2013 DOI: 10.3189/2013AoG62A155(外部サイトへリンク)

内容紹介

雪崩の発生要因を明らかにして雪崩災害の軽減につなげるためには、雪崩の発生した場所(発生区)での積雪状況の調査が必要です。しかし、雪崩発生区へ近づくことは危険なため、積雪状況の把握は難しいものです。そこで本研究では、数値モデル(積雪変質モデル)を用い、新潟県妙高山域の幕ノ沢で測定した気温や降水量などの気象データを入力して、積雪状態の変化を連続的に推定するとともに、その結果を用いてこれまでに幕ノ沢で観測できた5件の雪崩の発生要因を検討しました。

2月に発生した3件の乾雪表層雪崩は、昼間の温度上昇と夜間の温度低下により、雪粒子の結合が弱く雪崩の滑り面になりやすい「こしもざらめ雪」が積雪内に形成されたことが原因とモデルから推定されました。こしもざらめ雪の層の上に大量の雪が積もって荷重が増えたため、強度の小さなこしもざらめ雪の層が崩れて雪崩が発生したと考えられます。一方、1月初めに発生した乾雪表層雪崩は、短時間に大量の降雪があって、積もったばかりの弱い新雪の層が自重に耐えられずに崩れて雪崩が発生したと推定されました。3月に発生した湿雪雪崩は、急激な気温上昇によって積雪が融けて、融雪水が積雪内に浸透して積雪の強度が低下したことが要因と推定されました。

このモデルにより雪崩発生区の積雪状況を推定することができるので、雪崩の原因を探ることができます。また、将来的には、気象データから広範囲の雪崩発生危険度を予測する技術の開発につながります。

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