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ナラ・カシ類の木材は硬くて均質 ―ウバメガシは一番硬かった―

2013年2月21日掲載

論文名 日本産コナラ属木材の容積密度の放射方向変動
著者(所属)

安部 久・黒田 克史・山下 香菜(木材特性研究領域)、矢崎 健一(植物生態研究領域)、能城 修一(木材特性研究領域)、藤原 健(木材特性研究領域)

掲載誌

木材学会誌58巻6号、 一般社団法人 日本木材学会発行、2012年11月発行  URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jwrs/58/6/58_329/_article/-char/ja/(外部サイトへリンク)

内容紹介

ナラ・カシ類(ブナ科コナラ属に属する樹木)の森林はわが国の森林面積の約13%を占め、スギに次いで広いことから、それらの木材を有効に利用することは、国産材の自給率向上につながることが期待できます。しかしこれまで、材質に関するまとまった研究がありませんでした。

本研究では、日本各地から採集してきたコナラ属樹木14種35個体の木材標本を用いて、特に中小径木の利用を考えて、樹幹の髄から半径10cmの範囲の密度の変動を調べました。ウバメガシを除くすべての樹種の容積密度は0.5〜0.8 g/cm3の範囲に収まり、また、1個体内での変動幅は最大の個体でもナラ類では0.18 g/cm3、カシ類では0.12 g/cm3と、早成樹種とよばれるアカシアなどの樹種と比較して小さい値でした。樹幹内の変動パターンは、ナラ類では髄付近で高く、外側に行くにしたがって低くなる個体が多く、一方、カシ類では髄から外側にやや増加し、その後減少するものや髄からほとんど変化のないものがみられました。また、ウバメガシの容積密度は0.78 g/cm3以上で、他のカシよりも高く、なかでも髄に近い部分が最も高いことがわかりました。

この結果からわかるように、ナラ・カシ類の木材は中小径木でも硬く、しかも均質であるため、フローリングや家具など、特に硬さと均質性を求められる用途に適していると考えられます。乾燥方法の改良など、さらなる研究によって材の利用が促進されることが期待されます。

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