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用材も林地残材も効率的に搬出できる兼用集材車両を開発

2013年4月26日掲載

論文名  圧縮機構を装備したバイオマス対応集材車両の開発と作業性能の評価 ―林業バイオマス搬出作業の生産性―
著者(所属)

吉田 智佳史・佐々木 達也・中澤 昌彦・毛綱 昌弘・陣川 雅樹(林業工学研究領域)、古川 邦明・臼田 寿生(岐阜県森林研究所)、諸岡 正美・諸岡 昇(株式会社諸岡)

掲載誌 森林利用学会誌、28巻1号、森林利用学会、2013.1
内容紹介

再生可能なエネルギー資源の1つとして木質バイオマスが注目されています。なかでも、毎年約800万トン発生している林地残材は、そのほとんどが林内に放置されており、木質バイオマスのエネルギー利用を進めるためにはその活用が不可欠です。しかし、末木(立木の梢端)、枝条(枝葉)、端材(曲りや短尺な材)で構成される林地残材の搬出は、丸太に比べかさ張ることから積載量の確保が難しいこと、事業量が比較的少ないためチッパ(破砕用機械)などのバイオマス専用の機械の導入は生産費の増加を招きかねないこと等の問題から、従来より効率的かつ簡便な新たなバイオマス収穫技術の開発が求められていました。

そこで、用材(丸太)の搬出と共にバイオマスの搬出にも兼用が可能な「バイオマス対応集材車両」を開発しました。本機は、既存の林業機械である積載式集材車両(運材車やフォワーダ)の荷台に油圧シリンダによって側壁が拡張・収縮する圧縮機能を加えることにより、丸太等の用材の他、かさ張るバイオマスを圧縮して積載量を増やすことができる用材とバイオマスの両方の積載に対応した集材車両としました。本機を用いて搬出作業の現地試験を行った結果、用材の搬出は既存の集材車両と同等の性能を有している一方、バイオマスの搬出では既存の集材車両に比べて積載量は約2倍(3.86t-wet)に、生産性は約1.2倍(3.68t-dry/時)になるなど、バイオマス搬出において高い作業性能を有する機械であることがわかりました。

このバイオマス対応集材車両を用いることによって、これまで林内に放置されていた林地残材の搬出が容易になり、新たなエネルギー資源として有効に利用されることが期待されます。

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