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2013年8月12日掲載
論文名 | 東北地方におけるLandsat ETM+データを用いた林分材積推定と大気・地形効果補正の検討 |
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著者(所属) |
田中 真哉(森林管理研究領域)、高橋 與明(九州支所)、齋藤 英樹・西園 朋広・家原 敏郎(森林管理研究領域)、北原 文章(四国支所)、小谷 英司(東北支所)、粟屋 善雄(岐阜大学) |
掲載誌 | 森林計画学会誌、47巻2号、森林計画学会、2013年6月 |
内容紹介 |
我が国は地球温暖化の防止のため、京都議定書報告等により森林の炭素吸収量を報告していますが、その検証や将来予測のためには、炭素吸収量の地理的な分布を客観的に表すマッピング技術が必要です。しかし、従来の方法はコストがかかるのが問題でした。 そこで、低コストで入手できるものの、解析に必要な地上データの不足から林分材積推定が困難とされてきたランドサット衛星の画像データを用いる方法を開発しました。私たちはランドサットデータと、行政機関の調査事業により4km間隔で測定された多数の地上調査データとを組合せ、北欧等で取り組まれているk近傍法という計算手法を用い、炭素吸収量の基礎データとなる林分材積について、東北地方の広域で推定を試みました。その結果、先行研究に比べ小さな誤差で林分材積の分布を推定することができました。 本研究により、安いコストで入手できるランドサット衛星画像を使って、林分材積の広域分布図を日本でも作成できることを実証しました。この技術は、京都議定書報告等に活用できるのと同時に、広域の森林資源分布を把握する低コストな技術として広く活用されるものと期待されます。 |
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