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地域に根ざした中小製材工場の生き残り戦略

2013年11月1日掲載

論文名 製材業の産業組織と中小規模層の存立形態としての「大工出し」
著者(所属)

嶋瀬 拓也(北海道支所)

掲載誌 日本中小企業学会論文集、第32集、日本中小企業学会、2013年8月
内容紹介

製材業は、丸太から板や角材などの「製材品」を作り出す産業です。製材業では今日、大工場が一層の大型化を図る一方、中小工場が急速に姿を消しつつありますが、どの地方でも一部の中小工場が存立しており、どのような条件がそれを可能にしているのか明らかではありませんでした。中小工場には地方の労働力と資材を生かし地域の社会・経済を潤わせてきた役割があり、その機能を生かすために、中小工場の存立条件の解明が必要です。

山形県最上地方での9業者の事例調査から、大型住宅や社寺建築の需要があり、それらに応えられる優れた加工技術を持つ中小工場が、顧客との関係の強化や新たな顧客の開拓などの経営改善を通して、よく存立していることが分かりました。また、そうした条件をもたない工場は県内外の木材市場に販売先を求めるように方針を変え、一部の工場は設備を大型化したり、製材品目を特化させたりして経営の安定をはかっていることが分かりました。

大手住宅メーカーの地方進出が全国で進み、中小工場の役割は急速に変化しています。本研究の結果は、技術をもつ工場が特定の顧客との結びつきを強化することにより存立できることを示唆しており、元気な地域社会を取り戻していく方策を考えるときの手がかりになると期待されます。

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