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ウルシ材を用いた織布の染色特性を解明

2013年11月1日掲載

論文名 ウルシ材の織布への染色特性
著者(所属)

橋田 光(バイオマス化学研究領域)、田端 雅進(森林微生物研究領域)、久保島 吉貴(木材特性研究領域)、牧野 礼(バイオマス化学研究領域)、久保 智史(バイオマス化学研究領域)、片岡 厚(木材改質研究領域)、外崎 真理雄(四国支所)、大原 誠資(森林総合研究所フェロー)

掲載誌 木材学会誌、60巻1号、日本木材学会、2014年 DOI:10.2488/jwrs.60.48(外部サイトへリンク)
内容紹介

漆器に使われる漆は、ウルシの幹を傷つけて得られる樹液であり、日本で古くから利用されている天然の塗料・接着剤です。漆の産地である岩手県二戸市では、漆採取後に伐採された材を有効利用する試みとして、ウルシ材を用いた織布の染色が行われています。しかし、ウルシ材による染色については研究がほとんど行われておらず、品質管理や染色法の改善などに必要な情報が不足していました。

そこで、ウルシ材に含まれる化学成分を調べました。漆液を採取した後のウルシ材には、塗料に使われる漆液の成分はほとんど含まれておらず、染色に重要なポリフェノールと呼ばれる成分が多く含まれていることが分かりました。次に、このポリフェノール成分を効率良く抽出し、織布を効果的に染色する方法を調べました。その結果、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)を加えた水でウルシ材を煮出し、その後に酢酸を加えて織布を染色する方法が最も有効なことが分かりました。また、ウルシ材で染色した織布の抗菌性を調べたところ、黄色ブドウ球菌や大腸菌に対して効果があることが分かりました。

これらの研究成果を活用し、実際にウルシ材を染色に利用している現場で役立てていくことで、未利用のウルシ材の有効利用・利用促進に繋がることが期待されます。

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