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ニホンカラマツは産地によって成長や形質が遺伝的に異なる

2013年11月27日掲載

論文名

Provenance tests for survival and growth of 50-year-old Japanese larch (Larix kaempferi) trees related to climatic conditions in central Japan.(中部地方の気候条件に関連した50年生ニホンカラマツの生存と成長の産地間変異)

著者(所属)

永光 輝義・長坂 壽俊・吉丸 博志・津村 義彦(森林遺伝研究領域)

掲載誌

Tree Genetics and Genomics. October 2013、 DOI:10.1007/s11295-013-0666-0(外部サイトへリンク)

内容紹介

ニホンカラマツは、主に日本の中部山岳に自生する落葉性のマツの一種です。成長がよいため北海道や外国にも植林され、寒冷地の代表的な林業樹種になっています。望ましい性質を持つ種苗を選ぶには、産地によって樹木の成長や形質が遺伝的に異なるのかを知る必要があります。

そこで、1956年に中部山岳の25産地でニホンカラマツの種子を採取し、長野県の3か所に植栽し、産地によって樹高や直径、材積などの成長が遺伝的に異なるかを定期的に50年間調査しました。また、それらの違いが産地の気候条件に関連しているかを調べました。その結果、成長形質である樹高や直径、材積の最大サイズは、富士山や日光など太平洋側の産地で大きく、北アルプスなど日本海側の産地で小さいことがわかりました。また、成長は産地の標高に関連しないこともわかりました。これらの結果は、日本海側のニホンカラマツは冬期の降雪や積雪に耐えるため、樹木のサイズを小さくし、年輪幅が細かく幹が丈夫な性質を遺伝的に持っていることを示しています。このことから、気候条件を考慮して産地を選ぶことによって、望ましい遺伝的性質を持つ種苗を育成することが可能になりました。

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