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スギの雄花形成を制御する遺伝子を発見

2014年2月21日掲載

論文名

Functional analysis of SOC1-like and AGL6-like MADS-box genes of the gymnosperm Cryptomeria japonica (裸子植物スギにおけるSOC1及びAGL6類似MADSボックス遺伝子の機能解析)

著者(所属)

片畑 伸一郎(元生物工学研究領域、現静岡大学)、二村 典宏・伊ヶ崎 知弘(生物工学研究領域)、篠原 健司(研究コーディネータ)

掲載誌

Tree Genetics & Genomics, January 2014, DOI: 10.1007/s11295-013-0686-9(外部サイトへリンク)

内容紹介

近年、スギ花粉症患者の増加が問題となっており、その対策として少花粉スギや無花粉スギの植栽が進められています。しかし、これらの品種は少なく、開発には時間がかかります。そこで、未だに明らかになっていないスギの雄花形成の分子メカニズムを明らかにできれば、花粉形成を抑制する新たなスギ品種の開発につながります。

モデル植物として実験に用いられる草本のシロイヌナズナでは、開花に関わる分子メカニズムの解明が進んでいます。SOC1AGL6は、開花の時期を制御する遺伝子として知られています。スギの遺伝子データベースを検索した結果、SOC1AGL6に類似する遺伝子がスギにも存在することが明らかになりました。これらのスギの遺伝子をシロイヌナズナに導入したところ、通常よりも早く花をつけました。また、スギではジベレリンという植物ホルモンをかけることによって花の形成を促すことができます。ジベレリンをかけたスギでこれらの遺伝子の発現を調べた結果、1週間以内にSOC1類似遺伝子の発現が誘導され、1ヶ月以内にAGL6類似遺伝子の発現が誘導されることが分かりました。

この結果は、SOC1及びAGL6類似遺伝子がスギの雄花形成に関わることを強く示唆し、針葉樹では世界初の報告例です。今後、これらの遺伝子を抑制した遺伝子組換えスギの開発等により、雄花形成を抑制する新たな品種の開発につながることが期待されます。

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