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スギの成長パターンは温暖地域で早熟型、冷涼地域で晩成型

2014年3月5日掲載

論文名

Geographical variation in age-height relationships for dominant trees in Japanese cedar (Cryptomeria japonica D. Don) forests in Japan. (わが国のスギ林における林齢 ―上層樹高関係の地理変異)

著者(所属)

西園 朋広(森林管理研究領域)、北原 文章(四国支所)、家原 敏郎(森林管理研究領域)、光田 靖(宮崎大学)

掲載誌

Journal of Forest Research, DOI: 10.1007/s10310-013-0416-z(外部サイトへリンク)

内容紹介

森林を適切に管理していくためには、樹種・地域別に成長傾向を把握する必要があります。そのため、本研究では、わが国の主要な林業樹種の一つであるスギを対象として、樹木の年齢と高さ(樹高)との関係が地域ごとにどのように異なるかを調べました。これまでにもスギの樹高成長は局所的には調べられてきましたが、今回、日本全国から得られた森林調査データを用いることで、初めて樹高成長の地域差を全国的に明らかにしました。具体的には、日本全国4km間隔で配置された格子点において得られた森林調査データを分析しました。このデータを用いて、スギ林の多い13地域について、スギの樹高成長に関する指標(最大樹高と初期成長)を非線形回帰により推定し、推定した指標を用いて13地域間の成長傾向を比較しました。

13地域のスギの成長は、晩成型と早熟型の2グループに分かれ、各グループは地理的にまとまって分布していました。本州の日本海側及び北関東・東北地域のスギは、若い頃の成長は遅いが、高齢になっても伸びが衰えにくいという晩成型の成長傾向を示しました。一方、その他の地域のスギは、若い頃の成長は早いが、高齢になると伸びが衰えやすいという早熟型の成長傾向を示しました。

本研究は、スギの成長の地域差を統一的な方法で実証的に裏付けた初の試みであり、その結果は木材生産や温暖化緩和などの様々な目的に応じて最適な森林管理手法を探索する基礎資料となります。

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