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熱帯の泥炭火災は樹木の「根幹」を揺るがし、大量の枯死木を発生させていた

2014年4月30日掲載

論文名

Estimation of fuel mass and its loss during a forest fire in peat swamp forests of Central Kalimantan, Indonesia (インドネシア・中部カリマンタン州の泥炭湿地林の現存量および森林火災に伴う損失)

著者(所属)

鳥山 淳平(温暖化対応推進拠点)、高橋 與明(九州支所)、西村 千(温暖化対応推進拠点;当時)、佐藤 保(森林植生研究領域)、門田 有佳子(温暖化対応推進拠点)、齋藤 英樹(森林管理研究領域)、粟屋 善雄(岐阜大学)、Suwido H Limin・Agung R Susanto・Fetria Darma・Krisyoyo (Univ. of Palangka Raya)、清野 嘉之(研究コーディネータ)

掲載誌

Forest Ecology and Management 314, 2014年2月、DOI: 10.1016/j.foreco.2013.11.034(外部サイトへリンク)

内容紹介

熱帯の低湿地に広く見られる泥炭湿地林の下には木質泥炭(ピート)が厚く堆積しており、大量の炭素を地上に留めるはたらきをしています。しかし、近年インドネシアでは、農地開発のために排水路を掘ってピートを乾燥させた結果、頻繁に火災が発生し大量の二酸化炭素が放出されており、ピートとあわせて樹木の燃焼量を推定することが必要となっています。

そこで私たちは、インドネシア・カリマンタン島の泥炭湿地林において、2009年の大規模森林火災の直後に焼け跡地の調査を行いました。焼け跡地の枯死木量と、火災を免れた森林の樹木量を比較して、燃焼した樹木量を推定した結果、樹木のおよそ3割が燃焼によって失われるが、残りの樹木の大半も、表面も焦げていない新鮮な状態の枯死木として地表に倒れたことを明らかにしました。大量の新鮮な枯死木の発生原因として、火災によって表層20cmほどのピートが失われ、樹木の根元が不安定な状態になったところを強風に煽られたために一斉に倒れたことを指摘しました。

通常の森林火災と異なる泥炭湿地林の火災プロセスと、枯死木の大量発生のしくみを明らかにしたことにより、世界的に注目される泥炭湿地林地域からの二酸化炭素放出量の推定精度を向上させることができます。また、国際的な温室効果ガス排出削減プログラムである、森林減少・森林劣化からの排出の削減(REDD)の推進に貢献します。

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