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スギ材の曲げ強度は断面寸法により変化 ―大型木質建築物の安全な設計が可能に―

2014年4月30日掲載

論文名

スギ製材の曲げ強度に対する寸法効果 ―材せいと材幅の影響―

著者(所属)

長尾 博文・井道 裕史・加藤 英雄(構造利用研究領域)、三浦 祥子(林野庁)、下田 優子(農林水産消費安全技術センター)

掲載誌

木材学会誌、60巻2号、日本木材学会、2014年3月 DOI:10.2488/jwrs.60.100(外部サイトへリンク)

内容紹介

柱やはり等に用いられる木材(製材)では、断面寸法が大きくなるにしたがって強度が低下していく、寸法効果と呼ばれる現象が存在します。そのため、海外の建築基準やわが国の枠組壁工法(ツーバイフォー工法)用製材の基準強度には寸法効果を補正する寸法調整係数というものが作られています。しかし、わが国の伝統的な木造工法である軸組構法の構造用製材については、現行の設計強度が設定された当時、特別大きな断面の製材品が使われることが想定されていなかったため、寸法調整係数は設定されていませんでした。しかし、公共の大型木質建築物の建設が推進される現在、その構造安全性を確保するため、これらの構造用製材についても、寸法効果を解明する必要があります。

そこで、同じスギ丸太から採材した製材で材幅や材せい(高さの寸法)の影響を比較できるように試験体を作製して、曲げ試験を実施しました。その結果、材幅の異なる試験体の間で曲げ強度に違いは認められませんでしたが、材せいについては、材せいが減少するのにしたがって曲げ強度が増加する傾向(寸法効果)が認められました。これらの傾向を数値化し、スギ製材の曲げ強度について寸法調整係数を初めて明らかにしました。例えば、材せいの標準寸法を150mmとした場合、300mmでは15%程度減少することがわかりました。

この結果は、今後、公共木質建築物を推進する中、構造用製材(無等級材やJAS製材)の基準強度に対して寸法調整係数を導入する際に役立ちます。

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