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2014年7月10日掲載
論文名 |
Assessing changes in bird communities along gradients of undergrowth deterioration in deer-browsed hardwood forests of western Japan (西日本のシカ採食圧の影響を受けた落葉広葉樹林における下層植生衰退度に応じた鳥類群集の変化をとらえる) |
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著者(所属) |
関 伸一(関西支所)、藤木 大介(兵庫県森林動物研究センター)、佐藤 重穂(四国支所) |
掲載誌 |
Forest Ecology and Management, 320, 6-12, May 2014, DOI: 10.1016/j.foreco.2014.02.015(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
日本各地でシカが増えています。シカが増えすぎた地域では、シカの採食圧によって森林の下層植生が衰退します。下層植生が衰退した森林では、そこに棲む生物群集にも変化が生じます。鳥類群集も例外ではありません。そこで、兵庫県北部(氷ノ山周辺地域)の落葉広葉樹林42地点で鳥類調査を行い、鳥類群集の構成とシカの採食圧による下層植生の衰退程度との関係を評価しました。この結果、シカの採食圧による下層植生の衰退程度に応じて、ヤブを好む鳥が減り、鳥類群集が異なることが確かめられました。このように山を歩いて日常的に感じる「シカが増えると鳥の種類が変わる」「減る種類がいる」という現象が、データで確認されました。 関西地域の兵庫、京都、福井などでは全県の下層植生衰退図を作成し、シカによる森林被害を広域に評価しています。そのような下層植生衰退図は、シカの生息密度上昇による鳥類群集への影響予測においても有効であることが、本研究の結果から示されました。 |
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