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放射性物質の移動に関わる河川の懸濁物質は雨の強い時期に発生

2014年8月7日掲載

論文名

Effect of hydrograph separation on suspended sediment concentration predictions in a forested headwater with thick soil and weathered gneiss layers. (厚い土層および風化片麻岩層を持つ源頭部森林流域における浮遊土砂予測に対するハイドログラフ成分分離の効果)

著者(所属)

壁谷 直記・清水 晃(九州支所)、張 建軍(北京林業大学)、延廣 竜彦(北海道支所)

掲載誌

Water 6(6), 1671-1684, June 2014, DOI: 10.3390/w6061671(外部サイトへリンク)

内容紹介

河川が増水した時に発生する懸濁物質は単に水を濁らせるだけでなく、最近では放射性物質の移動にも深く関わっていることがわかってきました。しかし、その一方で河川の懸濁物質の濃度と流出水量の関係は複雑であり、簡単に流出水量から懸濁物質の濃度を予測することは困難です。

本研究では、自然の雨に微量に含まれる通常の水分子よりも重い酸素や水素を含む水分子(水の安定同位体)の存在割合が雨ごとに異なることを利用し、いつ降った雨かを区別することによって、河川の懸濁物質濃度と流出水量との関係を解析しました。その結果、強い雨によって森林から河川に素早く流出する水と懸濁物質濃度は、単純な直線関係にあることがわかりました。しかし弱い雨でゆっくり流出する水とは明瞭な関係はありませんでした。

このことを利用すると、総雨量や河川の流量ではなく、強雨時に流出する水量を用いて懸濁物質の濃度を精度高く予測できます。この研究は、降雨に伴う河川の濁りを予想したり、森林からの放射性物質の流出量を予測することに役立ちます。

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