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熱帯択伐林の根の炭素量は土壌によって大きく異なる

2014年12月19日掲載

論文名

Aboveground and belowground biomass in logged-over tropical rain forests under different soil conditions in Borneo.(ボルネオの異なる土壌条件に成立する熱帯択伐林の地上部と地下部のバイオマス)

著者(所属)

田中 憲蔵(植物生態研究領域)、古谷 良(愛媛大学)、服部 大輔(四国大学)、田中 壮太・櫻井 克年(高知大学)、二宮 生夫(愛媛大学)、ケンダワン ジョセフ ジャワ(サラワク植林公社)

掲載誌

Journal of Forest Research、印刷中、(オンライン2014年9月9日公開)、DOI:10.1007/s10310-014-0465-y(外部サイトへリンク)

内容紹介

東南アジアの熱帯雨林ではフタバガキなど有用樹種が選択的に択伐され、劣化した択伐残存林へと姿を変えています。手つかずの熱帯雨林は、巨大な炭素の貯蔵庫として、地球規模の炭素循環に重要な役割をはたしています。しかし、択伐残存林の炭素貯蔵機能については、特に地下部の根に関してよくわかっていませんでした。そこで、この研究ではボルネオ島の貧栄養な砂質土壌と、養分の多い粘土質土壌に生育する二ヶ所で、地上部と地下部のバイオマスを測定し、それらを比較しました。択伐前は、いずれも低地フタバガキ林で、約二十年前に同じくらい強度に択伐されています。地上部のバイオマスは、どちらの森林も伐採前の約半分に減少し、伐採から二十年を経ても炭素の貯蔵量は十分回復していませんでした。地下部のバイオマスは、太い根(直径5mm以上)と細根(直径5mm未満)に分けて推定したところ、太い根の量は差が無かったものの、細根の量は砂質土壌の森林が5倍近く多く、土壌表層に集中分布していました。多量の細根は、貧栄養な砂質土壌で樹木が効率よく養分を吸収するのに役立っていると考えられました。このことから、地上部バイオマスが同程度の森林でも、土壌条件により細根量が大きく異なるので、正確に森林全体の炭素貯蔵機能を推定するためには、地下部のバイオマスも評価することが重要であることがわかりました。

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