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国産広葉樹チップの品質は良好 ―利用拡大のポイントは原木の安定供給―

2015年4月15日掲載

論文名

国産広葉樹チップ用原木の形質とチップの品質

著者(所属)

小林 功・藤本 清彦・松村 ゆかり・村田 光司(加工技術研究領域)、後藤 武夫(全国木材チップ工業連合会)、西村 勝美(木構造振興(株))

掲載誌

木材工業、70巻3号、公益社団法人日本木材加工技術協会、2015年3月

内容紹介

我が国の森林面積の約4割は広葉樹であるため、森林の維持や林業再生のためには、広葉樹の利用拡大が重要となります。広葉樹は、以前は、薪や炭、家具などに使われていましたが、現在は「製紙用チップ」としての利用が中心となっています。しかし、国内で使われる広葉樹チップの約9割は輸入チップが占めており、国産チップの使用量はあまり多いとはいえない状況です。一方、価格については、輸入広葉樹チップの平均価格が22円/kgであるのに対して、国産広葉樹チップは17円/kgと国産チップが優位となっています。

そこで、国産広葉樹チップが製紙原料に使われない理由を解明し、国産広葉樹チップの利用拡大の方策を考えるため、国内大手チップ工場(14工場)について、現在流通・販売しているチップの品質とチップの製造・取引に関する実態調査を行いました。

その結果、国内チップ工場は製紙工場が求める高品質なチップを、輸入チップより安価で製造・販売していることが分かりました。したがって、国産広葉樹チップは、品質の面でも価格の面でも輸入チップより優れており、国産広葉樹チップが使われない理由は別のことにあることが分かりました。それではなぜ国産チップは輸入チップに遅れを取っているのでしょうか?チップ工場と製紙工場での聞き取り調査によると、チップ工場の生産能力にはまだ余力がありますが、原料となる丸太(原木)の入手が季節によって不安定で、海外の大規模チップ工場のような安定した大量生産が難しいとの回答が多くありました。つまり、チップ及びチップ用原木の「安定供給体制の確立」が現場で求められている実態が明らかになりました。

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