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森を抜ける雨滴の大きさは季節とともに変化する

2015年7月10日掲載

論文名

Differences in throughfall drop size distributions in the presence and absence of foliage.(葉の有無による林内雨の雨滴粒径分布の違い)

著者(所属)

南光 一樹(気象環境研究領域)、Sean A Hudson ・ Delphis F Levia(University of Delaware)

掲載誌

Hydrological Sciences Journal、巻号未定、DOI: 10.1080/02626667.2015.1052454(外部サイトへリンク)

内容紹介

森林に降った雨は葉や枝というフィルターを通過して地表に到達します。この過程で雨は量を減らし、成分も大きく変化します。その変化は、場所によって大きくばらつきます。森林の水源かん養機能を数値として表すためには、こうした林内雨の挙動を明らかにする必要があります。特に、落葉樹林では、季節によって葉の量が大きく変化するので、季節による林内雨の挙動の違いを評価する必要があります。
本研究では、降雨を構成する最小単位の雨滴の測定を通して、落葉広葉樹林の林内雨の季節変化を調べました。落葉樹であるユリノキの下で秋から春にかけて林内雨の雨滴を観測した結果、葉がしげった時期よりも葉がない時期の方が、林内雨滴のサイズが大きくなることがわかりました。また、林内雨滴の大小を決めるのは葉の有無だけではなく、気温が低い時にはより大きな雨滴が生じることを明らかにしました。この理由として、葉と枝では表面の凹凸が違うこと、水の表面張力が気温で変化することが、枝や葉の上での雨水のたまりやすさに影響するからであると考えられました。
雨滴の大きさは、森林に降った雨が土壌にしみこんでいくまでに地上の葉や枝からどのような影響を受けたかを知る上で重要な手がかりとなることが分かりました。この成果を、スギ・ヒノキなどの常緑針葉樹林と落葉広葉樹林の水源かん養機能の違いの有無を明らかにする上で役に立てていきます。

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