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菌床シイタケ害虫ナガマドキノコバエは単一種ではなかった

2015年7月13日掲載

論文名

Taxonomy of fungus gnats allied to Neoempheria ferruginea (Brunetti, 1912) (Diptera: Mycetophilidae), with descriptions of 11 new species from Japan and adjacent areas (日本および近隣諸国に産するナガマドキノコバエ類の分類と11新種記載)

著者(所属)

末吉 昌宏(九州支所)

掲載誌

Zootaxa, 3790, 139-164, April 2014, DOI: 10.11646/zootaxa.3790.1.6(外部サイトへリンク)

内容紹介

シイタケは国内で年間10万トン生産される主要な林産物です。生シイタケでは菌床栽培が主流となり、全生産量の8割を超えるようになりました。しかし、近年、ナガマドキノコバエが菌床栽培施設で発生し、幼虫がシイタケに付着して流通する異物混入などの被害が全国で報告されるようになりました。被害が全国に及ぶことから、このキノコバエを防除する技術開発が求められています。
従来、国内のナガマドキノコバエは学名 Neoempheria ferruginea が適用される単一種として知られてきました。しかし、全国から集めた標本試料の形態を精査した結果、互いによく似た8種が混在していることが明らかになりました。また、これらのうち3種が菌床栽培の害虫となっていること、地域によって異なる種が分布していること、などが分かりました。リュウコツナガマドキノコバエ N. carinata は北海道から九州までの各地の栽培施設で発生しています。フタマタナガマドキノコバエ N. bifurcata は関東以西の本州および四国・九州の栽培施設で発生し、近隣野外にも分布しています。フクレナガマドキノコバエ N. dilatata は奈良と沖縄の栽培施設で発生し、九州・沖縄の野外にも分布しています。
今後は、生産の現場で起こっている被害がどの種によって生じているかを注意深く調べる必要があります。その上で、これらの害虫種の違いを考慮した効果的な防除方法の開発が課題となります。

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