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木材の割れを未然に防ぐ乾燥処理を可能にする ―近赤外光を利用した乾燥応力測定法の開発―

2015年8月5日掲載

論文名

Application of Near-Infrared Spectroscopy for Evaluation of Drying Stress on Lumber Surface: A Comparison of Artificial Neural Networks and Partial Least Squares Regression (近赤外分光法を用いた木材表面の乾燥応力評価:ニューラルネットワークとPLS回帰分析の比較)

著者(所属)

渡辺 憲・小林 功(加工技術研究領域)、松下 康弘(SETソフトウェア株式会社)、齋藤 周逸(加工技術研究領域)、黒田 尚宏(日本木材加工技術協会)、能城 修一(木材特性研究領域)

掲載誌

Drying Technology, 32(5):590-596, May 2014, Taylor & Francis, DOI:10.1080/07373937.2013.846911(外部サイトへリンク)

内容紹介

樹木を伐採・加工して作られる木材製品は、住宅の部材や家具などとして私たちの身の周りで広く利用されています。もともと樹木の中には水分がたくさん含まれており、水分が多い状態のまま木材を使用すると、反ったり曲がったりといったトラブルが引き起こされます。そのため一般的に木材を使用する前に、木材中の水分を減らす乾燥処理が施されます。
木材は乾燥すると収縮するという性質を持っており、収縮に抵抗しようとする力(応力)が木材の中に生じます。この応力が大きくなると、木材に割れが発生してしまいます。したがって、木材が割れないように乾燥するためには、乾燥中の応力の状態を把握することが必要です。しかし、乾燥中の応力を簡単に測定する方法がないため、応力状態がよくわからないまま試行錯誤で乾燥処理は行われています。その結果、乾燥処理で木材に割れが発生し、木材製品としての価値が著しく損なわれるという問題が頻繁に起こっています。
そこで私たちは、木材に乾燥処理を施したときの応力を簡便に測定する手法を開発しました。近赤外光を木材に照射し、木材に吸収された光の量を解析することによって、スギ板材表面の応力を非破壊的に測定できることを明らかにしました。この技術を用いると、割れの危険性を確認しながら乾燥処理することが可能になり、割れが少なく品質の高い木材製品の供給に貢献することが期待されます。

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