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ナラ枯れ被害発生ハザードマップを利用して早期警戒!

2015年8月5日掲載

論文名

Development of a hazard map for oak wilt disease in Japan (ナラ枯れハザードマップの作成)

著者(所属)

近藤 洋史(九州支所)、山中 武彦(農業環境技術研究所)、齊藤 正一(山形県森林研究研修センター)、加賀谷 悦子(森林昆虫研究領域)、牧野 俊一(北海道支所)

掲載誌

Agricultural and Forest Entomology、17 (2):205-213、Wiley、2015.05、DOI:10.1111/afe.12098(外部サイトへリンク)

内容紹介

「ナラ枯れ」は、カシノナガキクイムシがナラ類やカシ類などの幹に侵入してナラ菌を樹体内に持ち込むことにより、これらの樹木を集団的に枯死させる現象です。平成24(2012)年度の被害量は約8万m3で、本州と九州のうち28府県で被害が確認されています。
ナラ枯れの被害対策にあたっては、被害の発生を迅速に把握・予測することが重要です。そこで、ある年度の被害情報や、新規被害地から直近の既被害地までの距離、植生、気象等のデータから、ロジスティック回帰という方法により次の年度の被害発生状況を予測するシステムを開発しました。また、予測結果を地図の上に表示して、ハザードマップとして理解しやすくしました。
山形県では、すでに、このハザードマップをもとに重点的にナラ枯れ被害を警戒・監視する地域を抽出して、年度当初の森林病害虫被害対策の会議で担当者間の情報共有をはかっています。このハザードマップは、当年度の被害調査を計画する際にも利用できるので、今後は、他の県や市町村による活用が期待されています。

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