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最新の空間情報技術を駆使して斜面崩壊と地形・森林との関係を解き明かす

2015年9月4日掲載

論文名

2010年広島県庄原市豪雨災害で発生した斜面崩壊と地形・森林の関係

著者(所属)

黒川 潮(九州支所)・岡田 康彦(水土保全研究領域)

掲載誌

砂防学会誌、67巻3号、p14-21、砂防学会、2014年9月

内容紹介

森林の樹木の根系による表層崩壊の抑止効果は、森林が持っている多面的機能の一つとして挙げられています。しかし、これを裏付けるための、実際の災害発生事例のデータを得ることは難しく、詳細な分析は十分に行われてきませんでした。

2010年7月に発生した広島県庄原市豪雨災害では、災害発生直後に航空写真の撮影を行い、また航空レーザー測量を実施して、1mメッシュの詳細な数値標高データが作成されました。また、現地では、林小班単位で樹種や樹齢等が確認できる森林データが作成されており、前年に情報の更新が行われていました。これらのデータを用いることで、GISによる詳細な分析が可能となりました。

航空写真から、この災害で発生した1,000カ所以上、約94haの表層崩壊地を抽出して、分析を行いました。この地区では樹齢51~55年の壮齢の森林の面積割合が最も大きいのですが、表層崩壊は樹齢10年以下の若齢の森林で最も高い割合で発生していました。また、斜面勾配との関係を調べたところ、更に若齢の樹齢5年以下の森林では、それ以上の樹齢の森林に比べ、より緩い勾配の斜面で表層崩壊が多く発生していたことが分かりました。

この成果は、森林が成長することにより土砂災害を防止していることを示すものと考えられ、減災・防災効果の高い森林管理技術の開発に役に立つものと期待されます。

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