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外来雑草から在来種の自生地を奪回する

2015年10月16日掲載

論文名

Regaining habitats from invasive weeds by planting limited-recruitment endemic trees on an oceanic island: successes and failures 11 years later. (海洋島の更新困難な固有樹種植栽による外来雑草類の排除:11年間の成功と失敗)

著者(所属)

安部 哲人(九州支所)、安井 隆弥・横谷 みどり・マーセル クナップ(小笠原野生生物研究会)

掲載誌

Journal of Forest Research, 20,135-142, February, 2015, DOI :10.1007/s10310-014-0469-7(外部サイトへリンク)

内容紹介

海洋島生態系では外来種がかく乱に乗じて侵入し、在来種の生息場所を奪ってきました。例えば、外来の雑草が旺盛な繁殖力で生育地を占領すると、在来植物の更新は困難になります。また、外来動物による種子の食害や外来植物との種間交雑も、在来植物更新を阻害する大きな要因となります。

小笠原諸島の固有種シマホルトノキは、外来種のクマネズミに種子が食害されてしまうため自然状態では育つのが困難です。そのため人工的に植栽し、その後の植生変化を11年間観察しました。その結果、シマホルトノキは活着・成長し、林冠の閉じた森林を形成するまでになりました。また、林内が暗くなることで、それまで優占していた外来雑草類の生育条件が悪化し、外来種は大きく衰退するとともに在来種の占める割合が上昇しました。この結果は、立地環境に適した在来樹種を植栽することで、森林を回復させるとともに、労力をかけずに外来雑草を抑制できることを示唆しています。今後、これまで困難だった外来雑草の抑制対策としても有効に活用することが期待できます。

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