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天然秋田スギの芽生えは地面では全滅するが根株の上では生き残る

2015年10月16日掲載

論文名

スギ天然生林におけるスギ実生の分布と生存 ―出現基質間の比較―

著者(所属)

太田 敬之(森林植生研究領域)、杉田 久志(四国支所)、金指 達郎(元・森林総研)、正木 隆(森林植生研究領域)

掲載誌

日本森林学会誌、 97巻、 p.10-18、日本森林学会、 2015年4月、  DOI:10.4005/jjfs.97.10(外部サイトへリンク)

内容紹介

スギは日本で最も広く植栽されている樹種ですが、天然更新が非常に難しいと言われています。わずかに残る天然林は、いったいどのように更新したのでしょうか。

それを明らかにするため、秋田県北秋田市阿仁のスギ天然林でスギの実生の発生数および生存数を7年間調査しました。この森林では多くのスギ大木が根株(昔の伐り株)の上に生育しています。倒木更新や根株更新については、北海道や北米のトウヒ属の樹木などでもよく知られています。同じように、この森林のスギの芽生えも、伐り株の上でしか生き残れないのかもしれません。そこで、芽生えの調査を7年間行ったところ、地面の上の芽生えはすべて死亡したのに対し、根株の上では12%の芽生えが生き残りました。スギの天然更新は、林内にわずかしかない根株の上で成功するチャンスのあることが明らかになりました。また、高い根株の上ほど生残率が高かったことから、積雪が早く消える環境、あるいはササなどに覆われない環境が、スギ芽生えの生き残りに重要な役割を果たすのではではないかと考えられました。以上の結果は、スギの天然更新のメカニズムを理解し、天然林の保全策を考える上でも重要な成果です。

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