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アマゾンに最も多いヤシのバイオマスを測る

2015年11月16日掲載

論文名

Allometric equations for estimating biomass of Euterpe precatoria, the most abundant palm species in the Amazon (アマゾンで最も多く生育しているヤシ種Euterpe precatoria のバイオマス推定式)

著者(所属)

Fernando da Silva (ブラジル国立アマゾン研究所)、諏訪 錬平・梶本 卓也・石塚 森吉(森林総合研究所)、Niro Higuchi (ブラジル国立アマゾン研究所)、Norbert Kunert (マックスプランク研究所)

掲載誌

Forests, 6(2):450-463, February 2015, DOI:10.3390/f6020450(外部サイトへリンク)

内容紹介

アマゾンにおける持続的土地利用や生物多様性を保持するための手段としてアグロフォレストリーがありますが、その主要作物であるアサイと呼ばれるヤシの利用が活発化しています。アサイはEuterpe属のヤシ複数種の総称であり、その果汁や新芽などは食用として利用されています。本研究で対象としたEuterpe precatoriaは、アマゾン全体で最も頻繁に出現する木本種として知られ、その資源量の推定はアマゾンの森林のバイオマス推定を行ううえで大切な要素です。ヤシ種の資源量推定に必要なバイオマス推定式の開発が遅れていることから、森林全体のバイオマス推定の精度が悪くなることが問題でした。

本研究ではこの問題解決のために、伐倒・根調査をおこなってEuterpe precatoriaのバイオマス推定式を開発しました。結果として、Euterpe precatoriaは幹の細長さに起因する不安定さを補完するように、個体サイズが大きくなると、材比重が著しく増加することが明らかとなりました。また、根の割合は一般的な木本種よりもやや高く、不安定な樹形を支えることに役立っていることが示唆されました。これまでの先行研究との比較においては、ヤシのバイオマス推定では、樹形や材比重が個体サイズとともに変化する特徴が重要なことが明確になりました。

この成果は、アマゾンでの森林バイオマスの推定と二酸化炭素の吸排出量の推定の精緻化に貢献します。

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