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2015年12月24日掲載
論文名 |
Floor cover percentage determines splash erosion in Chamaecyparis obtusa forests (ヒノキ林の雨滴飛散侵食を決定づける林床被覆率) |
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著者(所属) |
三浦 覚(立地環境研究領域)、鵜川 信(鹿児島大学)、吉永 秀一郎(関西支所)、山田 毅、平井 敬三(立地環境研究領域) |
掲載誌 |
Soil Science Society of America Journal, 79巻6号、アメリカ土壌科学会、2015年11月 DOI:10.2136/sssaj2015.05.0171(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
森林の水源かん養や木材生産力などの生態系サービスは、森林が生育する土壌の影響を強く受けます。森林土壌の発達には長い時間がかかるので、持続可能な森林経営を実現する上で土壌の保全はとりわけ重要です。急傾斜地のヒノキ人工林では、間伐が行われないと下草が生えず、落葉も流亡して地表が露出するため、土壌侵食が問題となります。 本研究では、林地の土壌侵食には様々な要因が関与しますが、特に大きく影響すると考えられる林床被覆率※に焦点を絞り、急傾斜地のヒノキ林における土壌侵食との関係を分析しました。一般に、林床被覆率が小さいほど地表面が露出するので林地の土砂が移動しやすくなります。 多くの森林で調査した結果、林床被覆率が10%低下すると土砂移動量は66%も増加していました。つまり林地を覆う下草や落葉がわずかでも少なくなると、地表の土砂が大きく流れてしまうということです。こうした結果からヒノキ林では、林床被覆率を30%から80%に増加させれば土砂移動量が1 / 10以下に軽減できることが確認されたので、林地を土壌侵食から守る目安として、林床被覆率を80%以上にすることを提案しました。 本研究の成果は、林野庁森林生態系多様性基礎調査の林床被覆率を用いた土壌侵食調査法や、FA0世界森林資源評価チームによる森林の水土保全機能の簡便な野外調査ガイドの開発にも活用されています。
※ 林床被覆率:下草や落葉などで覆われる森林の地表面の割合。 |
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