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2016年1月29日掲載
論文名 |
Reducing the extinction of experience: Association between urban form and recreational use of public greenspace (経験の絶滅を減少させるには:公共緑地のレクリエーション利用と都市の形態の関係) |
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著者(所属) |
曽我 昌史(北海道大学:現東京大学)、山浦 悠一(森林植生研究領域)、愛甲 哲也・庄子 康(北海道大学)、久保 雄広(京都大学:現国立環境研究所)、Kevin J. Gaston(エクセター大学) |
掲載誌 |
Landscape and Urban Planning, 143, 69-75, July 2015, DOI:10.1016/j.landurbplan.2015.06.003(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
世界的に農村から都市へ人口が流出し、肥大化する都市でいかに生物多様性を維持しながら開発を行なうかが問題となっています。そのための手法として、開発を行なわない大規模緑地を設立し、緑地外を集約的に開発して土地を節約する戦略(land sparing)と緑地を都市の中に分散配置する戦略(land sharing)が提案されています。 本研究では、緑地の分布が異なる地域で都市住民にアンケート調査を実施しました。その結果、緑地が分散して配置されている地域の方が、緑地の利用頻度や居住地周辺の緑環境に対する満足度が高いことが明らかになりました。緑地が散在していた方が、緑地へのアクセスが容易になるのが主な原因と考えられます。 自然と人間の関係が希薄になった現在、都市域では緑地を散在させることによって、自然と触れ合う経験の消失を防ぐことができると考えられます。散在する緑地の生物多様性を保全するために、緑地間のネットワークに注目することが必要となるでしょう。 |
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