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高山植物をはぐくむ風穴地を多数発見

2016年1月29日掲載

論文名

The distribution of cool spots as microrefugia in a mountainous area (山岳地帯における微小逃避地としての冷温地点の分布)

著者(所属)

下川部 歩真(北海道大学:現 北海道庁)、山浦 悠一(森林植生研究領域)、赤坂 卓美(帯広畜産大学)、佐藤 友徳・志田 祐一郎・山中 聡・中村 太士(北海道大学)

掲載誌

PLOS ONE 10(8): e0135732, August 2015. DOI:10.1371/journal.pone.0135732 (外部サイトへリンク)

内容紹介

広域的には生物の生息に不適な地域でも、好適な環境が局所的に分布しているために、生物が主な分布域の外で長期的に維持されていることがあります。そのような場所は「微小逃避地」と呼ばれ、過去の気候変動の際に生物の生存に大きな役割を担っていたと考えられるようになってきました。本研究では、北海道の北見地方で、過去に記載されている27の風穴地の位置を特定し、さらに28の新たな風穴地を発見しました。そのうち14か所で低標高にもかかわらずコケモモとイソツツジという高山性植物を確認しました。風穴地の立地条件を解析した結果、北見地方には多数の未発見の風穴地があると考えられました。

気候変動が生物に及ぼすインパクトは、10 km四方といった粗い解像度で広域的に予測されてきました。そのため、風穴などの小さな生息地は見落とされがちでした。一方、微少逃避地は面積が小さく特殊な場所に位置しているため、経済活動と折り合いをつけながら保全することができる場所が多いと考えられます。微小逃避地を特定して保護することは、気候変動のインパクトを低減して種の絶滅を回避するための費用対効果の高い手法になるかもしれません。

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