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マツとスギの染色体レベルの進化が初めて明らかに

2016年2月26日掲載

論文名

Evidence of intense chromosomal shuffling during conifer evolution. (針葉樹の進化における広範な染色体シャフリングの証拠)

著者(所属)

Marina de Miguel・Jérôme Bartholom・François Ehrenmann (フランス国立農学研究所、ボルドー大学)、Florent Murat (フランス国立農学研究所)、森口 喜成 (新潟大学)、内山 憲太郎・上野 真義(森林遺伝研究領域)、津村 義彦 (筑波大学)、Hélène Lagraulet (フランス国立農学研究所、ボルドー大学)、Nuria de Maria・Maria-Teresa Cervera (スペイン国立農学・技術研究所)、Jean Marc Gion (フランス国立農学研究所、ボルドー大学)、Jérôme Salse (フランス国立農学研究所)、 Christophe Plomion (フランス国立農学研究所、ボルドー大学)

掲載誌

Genome Biology and Evolution, 7(10), 2799-2809, October 2015,DOI:10.1093/gbe/evv185(外部サイトへリンク)

内容紹介

マツとスギはともに針葉樹に属し、染色体数もそれぞれ2n=24(12本のセットが2つで合計24本)と2n=22(11本のセットが2つで合計22本)で、よく似ています。近縁な生物の系統間には「共通した遺伝子が同じ順番で存在する領域」(シンテニー)が染色体上に現れることが知られています。様々な樹木でシンテニーを解析することで針葉樹の進化に関する手がかりが得られるかもしれません。

このたび、マツとスギでシンテニーを解析することで、これら2つの主要な針葉樹における染色体レベルの進化を世界で初めて明らかにしました。マツ科(マツとトウヒの仲間から5種)とヒノキ科(スギ)で遺伝子地図を用いてシンテニーを探索したところ20個のシンテニーを見つけることが出来ました。これらの領域はマツとスギの共通する祖先種に存在していたと推定されます。約3億4千万年前に2つの系統がわかれた後、両者の染色体は染色体融合や交換のような大きな変化が何度も繰り返し起こった(シャッフリングした)結果、わずかにシンテニーの痕跡が残っていると考えられます。

この結果により、マツ科の種間で見つかっていた染色体レベルの幅広いシンテニーが、同じ針葉樹でもマツとスギとの間には存在しないという新しい知見がもたらされました。今後は、シンテニーに存在する遺伝子を解析することで、針葉樹の適応進化に共通して重要な役割を持つ遺伝子が見出される可能性があります。

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