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森林の蒸発散量分布を気温、日射量、降水量から推定する手法を開発

2016年3月11日掲載

論文名

Development of a simple forest evapotranspiration model using a process-oriented model as a reference to parameterize data from a wide range of environmental conditions (モデルパラメータ同定にプロセスモデルを用いた広域森林蒸発散量予測モデルの構築)

著者(所属)

澤野 真治(水土保全研究領域)、堀田 紀文(筑波大学)、田中 延亮(東京大学生態水文学研究所)、坪山 良夫(研究コーディネータ)、鈴木 雅一(東京大学)

掲載誌

Ecological modeling, 309-310, p93-109, Elsevier,2015年8月, DOI:10.1016/j.ecolmodel.2015.04.011(外部サイトへリンク)

内容紹介

日本の水源地帯の多くは森林で覆われているため、利用可能な水資源量を把握するには、降水量とともに、森林の蒸発散量(水蒸気として大気にもどる水の量)が重要な情報となります。蒸発散量の観測や推定手法の研究は、これまでにも日本各地の森林を対象に行われてきましたが、多様な気候帯に分布する森林の蒸発散量を統一的かつ簡易に推定する手法は確立されていませんでした。

そこで、本研究では、一般に利用可能な気象データを用いて、比較的簡易な計算により森林の蒸発散量を推定する新しい手法を開発しました。この手法は、気温、日射量、降水量の三要素から森林の蒸発散量を計算します。測候所の観測値をもとに作られた1kmグリッドの気象データを用いて、日本全国の森林の蒸発散量を月単位で計算しました。その計算値を全国25地点の流域試験の結果と比べ、月蒸発散量の季節変化と年間の積算値を、ともに高い精度で推定できることを確認しました。

今後は推定手法の検証と改良をさらに進めるとともに、この成果を地球温暖化の影響評価等に活かしていきます。

 

流域試験:降水量と流出量の差から蒸発散量を推定する方法。河川最上流の数ヘクタールから数平方キロメートルの流域を対象にすることが多い。

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