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見落し個体を考慮して生物の種数や個体数を推定する

2016年3月11日掲載

論文名

Study of biological communities subject to imperfect detection: bias and precision of community N-mixture abundance models in small-sample situations (完全には発見できない生物群集の研究:小サンプル下でのN-mixture群集個体数モデルの偏りと精度)

著者(所属)

山浦 悠一(森林植生研究領域)、Marc Kéry(スイス鳥類研究所)、J. Andrew Royle(アメリカ地質研究所)

掲載誌

Ecological Research, 巻号未定. 2016年 DOI:10.1007/s11284-016-1340-4(外部サイトへリンク)

内容紹介

野外調査では、生息する生物をすべて発見することは通常困難です。私たちは、同じ場所で繰り返し生物個体をカウントすることで、見落した個体がいることを考慮しながら、生物の個体数や種数を推定する統計モデル(N-mixture 群集個体数モデル)を提案してきました。本研究では、このモデルの推定精度をシミュレーションにより検証しました。その結果、(1)調査地点数が20以上、(2)生物個体を調査者が発見する確率が0.2以上、(3)調査地点に生息する生物の個体数が0.5以上の際に、本モデルの推定精度は概して高いことが分かりました。調査で個体を見落してしまうと、調査地点に実際には生物種が生息しているのに、生息が確認されなくなってしまいます。このため、調査地点間で生物種の構成が実際よりも大きく異なると評価されてしまいます。見落し個体がいると考えて本モデルを用いることで、生物種の構成はより正確に推定されました。繰り返し調査を行なって見落し個体を統計的に考慮することによって、生物の種数や個体数をより正確に推定することが可能になると考えられます。モデルの推定精度を上げるためには、(1)調査地点数を増やすこと、(2)調査時間を長くするなどして発見確率を上げること、(3)調査面積を大きくすることによって、調査地点内の生物の個体数を大きくことなどが挙げられます。

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