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これからの森林・林業を支える人材育成のための教育のあり方

2016年4月1日掲載

論文名

戦後の専門高校「森林科学」(育林分野)関連科目の変化と課題

著者(所属)

井上 真理子・大石 康彦(多摩森林科学園)

掲載誌

日本森林学会誌98巻1号、11-19、日本森林学会、2016年4月 DOI:10.4005/jjfs.98.11(外部サイトへリンク)

内容紹介

国産材の有効活用や林業の活性化が求められると同時に、森林が果たす様々な役割への期待も大きく、これからの森林・林業分野を担う人材育成が重要な課題となっています。林業の専門教育機関である専門高校(森林関連学科等)は全国に72校あり、林業に関する専門的な知識や技術に関する教育が行われてきました。しかし、林業を取り巻く状況は戦後70年を経て大きく変化しました。そこで、専門高校での主要教科である「森林科学」の育林分野を中心に、戦後70年の変遷を分析しました。

戦後復興に不可欠な木材生産を担っていた頃の教科名は「林業生産」でしたが、森林資源の充実が目指されると共に「森林生産」や「育林」へと変化し、公益的機能への関心の高まりにつれて、近年は、「森林科学」に改訂されました。教育内容を見ると、いつの時代も森林の生態や分布、生育環境や樹木の特性に関する内容と、樹木を植えて育てるための技術が含まれていました。しかし、森林の育成が求められた時代には、森林育成の知識と技術の習得が重視され、1990年代頃からは、森林の多面的機能や森林の保護、保全に関する内容が多くなりました。結果として、近年は、森林の生産性や育林に関する実務的な知識や技術的な内容が削減されていました。また、こうした教育内容の変化は、専門高校卒業後の進路が就職から進学に変わったことも反映しています。

今後、森林・林業分野を担う人材を育成するためには、専門高校での教育だけではなく、林業大学校や大学(森林関連学科)、さらには森林・林業を担う行政機関と連携して、教科内容の充実を図っていく必要があります。

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