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‘稚木の桜’(わかきのさくら)をヤマザクラの実生から再発見

2016年4月21日掲載

論文名

新たに確認されたバラ科‘稚木の桜’

著者(所属)

勝木 俊雄(多摩森林科学園)

掲載誌

植物研究雑誌、91巻2号、84-87、株式会社ツムラ、2016年4月 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_091_84-87_abstract.pdf(外部サイトへリンク)

内容紹介

森林総合研究所の多摩森林科学園では、サクラ保存林が設置されており、全国の様々なサクラの保存や研究をおこなっています。そのサクラのひとつに‘稚木の桜’というヤマザクラの栽培品種があります。

‘稚木の桜’は、高名な植物学者の牧野富太郎が1906年に高知県産の標本をもとに学名を記載しました。冬芽から伸びたシュート(枝)の多くが花と葉をつける混生枝となることが大きな特徴です。ふつうのヤマザクラのシュートは花だけをつける生殖枝と葉だけをつける栄養枝とに区分されますので、混生枝をもつ‘稚木の桜’はきわめて珍しい存在です。

以前は高知県などで野生個体も報告されていましたが、現在では、牧野が名付けた元となった株から接ぎ木や種子によって増殖された系統が各地の植物園などで栽培されているだけです。ところが、高知県大月町の月光桜と名付けられた名木のヤマザクラの実生苗を育苗したところ、花と葉をつける混生枝をもつ2年生の実生苗が2株確認され、‘稚木の桜’と同定できました。

この新たな‘稚木の桜’の再発見は、栽培品種として認められるような突然変異が、サクラの野生集団中に存在することを示しています。そして、多様な変異をもっている野生集団が、遺伝資源としていかに重要なのかを物語っています。この貴重なサクラは多摩森林科学園で育成されており、数年後には一般公開する予定です。

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