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2016年7月4日掲載
論文名 |
Both direct and vicarious experiences of nature affect children’s willingness to conserve biodiversity (生物多様性の子供による保全意志には直接・間接自然体験の両方が影響する) |
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著者(所属) |
曽我 昌史(東京大学)、Kevin J. Gaston(エクセター大学)、山浦 悠一(森林植生研究領域)、栗栖 聖・花木 啓祐(東京大学) |
掲載誌 |
International Journal of Environmental Research and Public Health 13(6): 529. DOI:10.3390/ijerph13060529(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
子供のうちにいかに自然と触れ合うかは、大人になってからの自然の感じ方や環境保全意識に大きく影響します。これまでの研究では、自然と物理的に接触する直接体験の重要性が注目されてきました。しかし、子供の自然との触れ合い方は近年多様化しており、直接体験だけではなく、テレビや雑誌を通じた間接的な自然体験も大事な役割を持つことが考えられます。 そこで私たちは、小学生を対象としたアンケート調査を行ない、自然体験が生物多様性に対する親近感・保全意欲に及ぼす影響を調べました。その結果、地域の自然や生き物と直直接的に触れ合う自然体験の頻度に伴い、生物多様性に対する親近感・保全意欲が増すことが明らかになりました。さらに、テレビや本などで生き物を目にしたり、周囲の人と自然について話すという間接的な自然体験の頻度も、生物多様性に対する親近感・保全意欲を増すことも示されました。 昨今の急速な都市化などに伴い、人々が自然と接する機会は減少の一途を辿っています。こうした人々の「自然離れ」を防ぎ、自然や生き物に親しみを覚えその価値を理解できる社会を作っていくためには、子供のうちから様々な自然体験を積み重ねることが大事だと考えられます。
直接的・間接的な自然体験の頻度と、生物多様性に対する親近感の関係。縦軸は16種の生き物への親近感と保全意欲の合計スコアを示しています(最高16、最低-16)。箱ひげ図の中央線は中央値、箱の上下は四分位(データの1/4)、ひげの上下はデータの10%と90%の位置を示します。箱ひげ図のアルファベットはグループ間に有意な差があることを示します。[論文中の図を和訳して用いています]
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