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日本最後のカワウソは四国ではなく離島にいた

2016年12月26日掲載

論文名

五島列島におけるカワウソの分布と生息

著者(所属)

上田浩一(五島自然環境ネットワーク)、安田雅俊(九州支所)

掲載誌

哺乳類科学、56巻2号、日本哺乳類学会、2016年12月、

内容紹介

ニホンカワウソ(以下、カワウソ)は、江戸時代には全国に広く分布する普通種でしたが、明治以降の毛皮や薬種(民間薬の原料)めあての乱獲や密猟が主な原因で、戦後わが国から絶滅した哺乳類です。

このたび、長崎県の離島(五島列島)において、文献調査と聞き取り調査を行い、カワウソに関する9件の資料と8件の証言を得ました。これらによると、戦前は五島列島の広い範囲にカワウソが生息していたこと、本種が禁猟となった1928年以降も毛皮めあての密猟が行われていたこと、1981年にカワウソの死体が目撃されたこと、それ以降は情報が途絶えたことがわかりました。

これまで、1975年に愛媛県、1979年に高知県でみつかった個体がわが国最後のカワウソの記録とされてきましたが、専門家の間では、1990年代まで人目につかない場所で少数のカワウソが生きのびていたと推測されてきました。今回の結果は、五島列島のような離島では、本土よりも遅くまでカワウソが生き延びてきたことを示すものです。今後離島を重点的に調査することで、わが国におけるカワウソの絶滅過程がさらに明らかになると期待されます。

注)ニホンカワウソ:食肉目イタチ科に属する体長約1m、体重10kgほどの中型哺乳類。河川や沿岸で魚やカニ、エビなどを主な餌とした。乱獲により激減したため、1928年に禁猟となり、1965年に国の特別天然記念物に指定された。2012年絶滅種指定。

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